福島県郡山市の私立日大東北高は18日、相撲部顧問の男性教員が部員の男子生徒をデッキブラシで殴り、けがを負わせるなどの暴行を繰り返していたと明らかにした。男子生徒は7月に転校した。学校側は同月、教員による暴行を把握したが、処分していなかった。記者会見した松井弘之校長は「前途ある教員なので、処分しなくていいと考えた」と釈明した。

 同校によると、教員は20代。部活の稽古後、入浴のため裸になった1年の男子生徒を木製のデッキブラシで殴り、けがをさせた。別の日には、同じ生徒の顔を平手打ちしたり、尻を蹴ったりした。硬いゴム製のハンマーで頭をたたいたこともあった。また、相撲部コーチをしていた50代の男性非常勤職員は、のこぎりの刃を上向きに置き、同じ生徒にその上で腕立て伏せをさせたという。コーチは9月に自主退職した。

 松井校長は会見で、生徒の転校について「(教員の暴行が)一因だったと思う」との認識を示した。教員は今年4月、相撲部顧問に就任した。部員は現時点で3人。相撲部は創設以来、全国高校総体に15回出場している常連校。

 ◆日大東北高校 1951年(昭26)、福島県郡山市田村町で日大東北工業高校として創立。78年に現校名に改称。00年までに工業系の募集を停止。今年5月1日現在の生徒数は1410人(女子582人)。野球部は夏の甲子園に7度出場。